賀詞交歓会

野澤会長の挨拶
野澤会長の挨拶

2020年1月8日(水)、午前11時から東京・永田町の薬業健保会館で、一般社団法人日本試薬協会の賀詞交歓会が開催された。雨模様の天候にもかかわらず、昨年を越える総数331名が参集。オリンピックイヤーに期待を込めて、熱気に包まれながら、和やかな歓談に花を咲かせた。

開会のあいさつで、野澤学会長(関東化学社長)は昨年を振り返り、「化学業界にとっての最大の話題は、旭化成の名誉フェローであられる吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞されたこと。吉野さんの長年にわたる基礎研究が実用化されたすばらしい成果だと思っている。吉野さんが、日本の未来のために基礎研究を長期的にサポートしてほしいとお話しされたことに感銘を受けた」と切り出し、「安倍首相の年頭の会見にあったが、今年はデジタル元年になるということで、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)などの新しい技術革新とともに法整備も進んでいく。また、科学技術基本法の改正にも着手するようだ。日本の基礎研究力をさらに向上させ、産業界を巻き込みながらの発展を願いつつ、研究環境の整備を政府にも期待したいと思っている」と話を進めた。

また、今年の日本試薬協会の活動計画にも触れ、「協会は3月24日に設立20周年を迎えるが、3月9日の試薬の日に合わせて『日本試薬協会20周年記念式典&講演会』を開催する。今回の講演には、小説家の百田尚樹さんをお迎えする。また、試薬取り扱いの手引き書として活用していただいている『試薬ガイドブック』の改訂が完了する運びだ。前回の改訂から16年がたち、その間の科学技術の発展、試薬に関する規制や価格等もかなり変わってきている。それらを網羅した最新版になるものと自負している。昨年は当協会のキャラクターとロゴマークを選定したが、このキャラクターを活用して、試薬の取り扱いのPR動画を作成中。順調にいけば、これらすべてを3月9日に披露したい」と紹介した。

最後に、「試薬については、運搬や保管に際して法令を順守すること、環境保全、悪用防止等のコンプライアンスの徹底が重要になる。そこで、われわれ試薬業界には、情報提供者としての役割も期待されている。消費者に対して、今回の試薬ガイドブックをうまく活用するとともに、今後の付加価値の高い情報提供、また消費者の良き相談相手になることがこれからのわれわれの存在意義なのかなと思っている」とあいさつをまとめた。

続いて、来賓を代表して、経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループ生物化学産業課生物多様性・生物兵器対策室の小出純室長が登壇。「昨年、約10年ぶりに日本のバイオ戦略を改定した。2030年をメドに世界最高のバイオエコノミーを実現するという目的のもと、具体的な社会像を明確に示すとともに、それに向けて重点的に投資すべき市場領域を9つ設定した。その中のバイオ生産システム(バイオファウンドリー)とバイオ関連分析・測定・実験システムは、バイオエコノミーを発展させるうえで重要な地位を占めているだけでなく、みなさんの試薬業界に関係が深いことから、今後協力していける分野だと期待している。また、9つの優先分野のうち、6つは経済産業省が主体となってロードマップづくりを進めている。これにも忌憚のないご意見をいただきたい」と述べた。

さらに、「今年のオリンピック/パラリンピックを成功に導く重要な要素として、事故や事件を防ぐことがある。爆発物を用いたテロの防止等であり、こうしたことに悪用される可能性のある化学物質の所在管理等へのご協力をお願いしたい。また、毎年のお願いになるが、経済産業省としては福島県の復興に力を入れており、企業誘致等の支援事業を活用していただきたい」と続けた。

次いで、白木一夫副会長(富士フイルム和光純薬社長)が乾杯の発声に立った。まず、「昨年の出来事では、グレタ・トゥーンベリさんの国連での演説がたいへん話題になった。地球温暖化が世界的な問題になっており、日本でも昨年関東を襲った台風について、温暖化と関係があると感じた人も多かったようだ。われわれ企業も環境に配慮した活動が重要になるということで、国際的な目標である持続可能な開発目標(SDGs)の推進に、協会としても取り組んでいかなければならないと考えている」とあいさつ。さらに、「今年はオリンピックの年。先ほどのお話のように、化学物質の適正な管理は非常に重要だが、それと同時に会期中のテレワークなど働き方をどうするか、また首都高速の規制の話などもだんだん具体化してきており、お客さまにいかに試薬を滞りなくお届けするかなど、いろいろな課題があると思う」と述べたあと、景気よく乾杯の音頭を取った。

ふんだんに料理とお酒がふるまわれ、明るい雰囲気で和やかな歓談が続いたあと、高木裕明副会長(伊勢久社長)が登壇し、「冒頭に野澤会長からも話があったが、昨年は旭化成出身の吉野さんがリチウムイオン電池の開発でノーベル化学賞を受賞された。私たちの試薬がその開発に使われたわけで、たいへんうれしく、誇らしい思いがする。まさに、試薬は産業発展の架け橋になっていると思う。ただ、昨今のアカデミア、とくに大学の研究現場をみると、基礎研究の予算が大幅に削られたままの厳しい状態が続いている。日本は科学技術創造立国を標榜しているわけだから、科学技術の進展なくして国力の増強はあり得ない。原点に返って、予算の付け方も考えていただきたいと思う」と表明した。

そして話題を変え、「(地元の)名古屋に、古くから薬種問屋が集まる京町という町がある。東京の日本橋本町、大阪の道修町と並んで、日本の三大薬都として栄えてきた。その京町にも薬と健康の神様をまつる少彦名(すくなひこな)神社があり、実はわたしはそこの奉賛会の会長をしている。そこで今回は神社の願掛けふうに締めたい」と述べ、「身体健全、家内安全、商売繁盛、万難消滅、諸縁如意、皆様方のご商売のますますの隆盛と、試薬協会のますますの発展を祈念して」と高らかに発声。威勢の良い三本締めで中締めを行った。その後、盛況のうちに12時半ごろ散会となった。

以上

経済産業省 小出室長の挨拶
経済産業省 小出室長の挨拶

白木副会長の乾杯の挨拶
白木副会長の乾杯の挨拶

会場風景
会場風景

高木副会長の中締め挨拶
中島副会長の中締め挨拶

歓談風景
歓談風景

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