会長挨拶

一般社団法人 日本試薬協会会長 野澤 学

年頭挨拶

 明けましておめでとうございます。

 平素は当協会の活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申しあげます。

 元日に発生した能登半島地震において、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあった地域の一刻も早い安全を願い、心よりお見舞い申しあげます。

 2023年もロシア−ウクライナの紛争が継続、原油・原材料が高騰し、物価高で消費者の購買意欲は抑えられておりましたが、5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法分類が5類となり、少しずつ以前の日常を取り戻しはじめ、観光需要や外食消費の回復で景気は戻ってきました。徐々に物価上昇は落ち着きを見せはじめ、円安への圧力も落ちつき、1月9日の日経平均株価は33年振りにバブル後の最高値を更新しました。2024年も賃金上昇が継続すれば、経済は徐々に回復に向かうと予想されております。

 2023年度の当協会活動は、規格委員会では試薬JIS規格原案作成事業により、今年度分の26品目の試薬の規格、試験法の見直しを進めております。安全性・環境対策委員会では、欧州の有機フッ素化合物(PFAS)規制案に対してパブリックコメントを欧州化学品庁に提出いたしました。今後の動向を見守りたいと思います。流通対策委員会では、物流の2024年問題のセミナーと情報交換を行いました。

 試薬の普及活動として、広報委員会、電子情報委員会の活動では当協会Webサイトに“学ぼう試薬!”のタイトルで、vol.5になる「毒劇物の取り扱い」の解説動画を製作中です。我々の扱う試薬や関連製品は、あらゆる産業の研究開発に関与し、科学技術の発展に貢献しており、世の中の動向にも適切に対応できる先端業界であり続けたいと思います。

 その他、会員皆さまの研さんの目的で、関東・関西地区にてそれぞれ講演会を開催しており、また今年3月6日には東京日本橋で「試薬の日記念講演会」を予定しております。講演詳細は後日事務局より、ご連絡申しあげますので、ぜひとも多くの皆さまにご参加いただければと存じます。

 さて、経済産業省では将来の炭素循環社会の実現に向け、「脱炭素」「経済成長」「エネルギーの安定供給」を目指すグリーントランスフォーメーション(GX)を、重点分野における分野別投資戦略として取りまとめております。我々を取り巻く環境は変化しておりますが、環境保護や省エネルギーを進めながら産業発展する絶好の機会であり、試薬業界は夢のある未来社会の担い手であるとの気概を持って、持続可能な社会の実現に貢献できるものと思います。経済産業省をはじめ、関係官庁、関連団体からの相変わらぬご支援、協会会員の皆さまのご協力をよろしくお願い申しあげます。

 皆さまにとりまして、新たなる辰年、龍の如く躍動の年となりますように祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

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