
会長挨拶
平素は当協会の活動にご協力賜わり、厚く御礼申しあげます。
2023年6月7日に第77回定時社員総会を4年振りに大阪で開催いたしました。多くの皆さまにご出席をいただき、誠にありがとうございました。その際に2022年度協会活動をご報告させていただきました。経済産業省、日本規格協会などからの依頼で、JIS試薬の規格の見直しをはじめとする試薬の品質向上、標準品への取り組み、生産・流通の調査などの対応を図りました。研鑽活動では、東京、大阪地区でそれぞれアカデミアの先生による講演会、試薬の日の3月9日には記念講演会を開催、いずれもその模様は動画配信させていただきました。交流活動はこの3年間中止になっておりましたが、1月には3年ぶりに東京で賀詞交歓会を開催しました。コロナ禍の1年間ではありましたが、徐々に対面でのイベントが増え、コミュニケーションを図ることができました。詳しい活動については試薬会誌やホームページでご案内しておりますのでご参照ください。
さて、国内は新型コロナウイルス感染症の制限緩和により、観光や飲食産業は持ち直し経済活動を刺激しておりますが、ウクライナ侵攻による影響でナフサ原料などの高騰、燃料価格の高止まりや食品などの物価上昇により、景気に下振れの影響を与えております。加えて、試薬業界を取り巻く状況として、物流の2024年問題、欧州における有機フッ素化合物(PFAS)の製造・使用の段階的な規制の動きなど、将来の懸念材料が散見されております。これから化学業界は環境負荷低減やエネルギー削減にも取り組まねばなりません。
当協会の事業目的は、『試薬事業を通して社会に貢献する事』であります。さまざまなコスト増となる状況の下、試薬業界に求められているのは、これまで以上の高機能で高品質な製品、情報、サービスの提供にあります。よって、試薬業界はさらに体力を蓄え、筋肉質になっていかなければなりません。価値基準が変化し新しい舵取りが必要な中、当協会はこれからも会員の皆さまに研鑽と交流の場を提供していきたいと考えています。
2023年度も経済産業省のご指導をいただき、関係団体と協力しながら、各委員会での活動を通じて協会運営に取り組んでまいります。引き続き、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。