年頭挨拶

経済産業省 商務・サービス審議官 茂木 正

年頭所感

 令和6年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。

 貴協会の皆さまにおかれましては、日頃より経済産業省の施策の推進にご協力を賜り、心から御礼申しあげます。

 日本経済は、今、長年続いたデフレ構造から新しい経済ステージへと移っていく、千載一遇のチャンスを迎えています。昨年は、賃上げや設備投資がともに30年ぶりの高い水準となるなど、「潮目の変化」が生じました。今年こそ、こうした変化の兆しを逃すことなく、「コストカット型経済」から「投資も賃金も物価も伸びる成長型経済」への転換を必ず実現しなければなりません。

 試薬業界の発展はイノベーションの進展とともにあります。新型コロナウイルス感染症への対応は試薬業界の皆さまの貢献なくして達成できませんでした。次のイノベーションの一つはバイオ分野です。昨年5月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」の戦略分野に位置づけられた「バイオものづくり」は、遺伝子技術により、従来の化石資源を原料としたさまざまな製造プロセスを置き換える持続可能な製造プロセスです。創薬分野はもちろん、食品、化学品、素材、繊維、燃料など多様な産業領域での活用が見込まれ、次世代の産業基盤となり、我が国の競争力の核となり得ることが期待されています。また、高機能バイオ医薬品等次世代創薬の推進や再生医療についても同実行計画の健康・医療分野の柱として示されました。

 このように、科学技術を総動員したイノベーションは、我が国においてますます重要となっています。新たな技術革新の動きの中で、試薬は、バイオ分野をはじめとするあらゆる産業において多様な目的で使用され、我が国の科学技術及び産業の発展を支える基盤とも言える存在であり、試薬業界へのニーズは今後ますます高まるものと考えております。

 今後も、試薬業界の発展が、新たな産業の創出・成長につながり、さらには我が国の経済成長並びに国民生活の向上にますます大きな役割を果たされることを期待しております。

 また、我が国は、人手不足や少子高齢化などさまざまな課題に直面しており、新たなイノベーションや産業構造の変革を推し進めていくことでこれを解決していくことが重要です。政府としても、特に物流の2024年問題の克服に全力で対応してまいります。貴協会においては、荷主となる事業者の皆さまの理解を深めるために講演会の開催等を行っていただいていると聞いております。官民一体となって、この問題を克服できるよう、引き続きご協力をお願いいたします。

 2025年大阪・関西万博の開催まで、残すところ500日を切りました。民間パビリオンの具体的内容が次々と発表され、また、昨年11月には前売りチケットの販売が始まり、「いのち輝く未来社会のデザイン」のテーマのもと、成功に向けて、博覧会協会、経済界、自治体と団結して全力で準備を進めてまいります。

 最後になりましたが、本年の皆さまのご健康、そして試薬業界のますますのご発展とご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

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