(5) ペプチド合成用試薬

ペプチドは、アミノ酸がペプチド結合によって結びついたものであり、ペプチドとは狭義には、アミノ酸50個までをいい、それ以上をたん白質と区別することもある。このペプチドをアミノ酸から合成するのに用いられる試薬がペプチド合成用試薬である。とくに生体内で重要な役割を果たしているホルモン、阻害剤(インヒビター)などの生理活性ペプチドがペプチド合成用試薬によって、収率よく、かつラセミ化を防ぎながら合成されるようになった。
合成ペプチドは生化学、医薬品工業の分野で構造、機能の研究、治療に多く使われており、ペプチドの合成は今後ますます発展していくものと期待されている。ペプチド合成試薬は、大別するとアミノ酸およびカルボキシル基の保護剤、縮合剤、保護基除去剤、活性エステル化剤、固相合成用試薬、アミノ酸誘導体などがある。また、固相法を採用し自動化を可能にしたペプチド合成機が発売されている。

種別 試薬例
種 別保 護 剤 試薬例塩化カルボベンゾキシ(ZCI)、S-p-メトキシベンジルオキシカルボニル-4,6-ジメチル-2-メルカプトピリミジン(M2-SDP)
種 別縮 合 剤 試薬例1-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)、シアノりん酸ジエチル(DEPC)
種 別保護基除去剤 試薬例25%臭化水素酢酸溶液
種 別活性エステル化剤 試薬例N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド(HONB)、N-ヒドロキシこはく酸イミド(HOSu)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)
種 別固相合成用 試薬例クロロメチル化ポリスチレン
種 別アミノ酸誘導体 試薬例Fmoc-アミノ酸類、t-BOCアミノ酸類、z-アミノ酸類

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