試薬会誌

新年号 2025.1 No.75年頭挨拶

経済産業省 商務・サービス審議官 南 亮
年頭所感

令和7年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。

貴協会の皆さまにおかれましては、日頃より経済産業省の施策の推進にご協力を賜り、心から御礼申しあげます。

日本経済は、長きにわたるコストカット型経済から、「賃上げと投資が牽引する成長型経済」への転換を確実なものとするため、物価高に負けない持続的な賃上げを実現し、これを更なる消費と投資へ繋げていかなければなりません。企業の「稼ぐ力」を根本的に強化するため、中小企業の生産性向上や省力化投資を支援するとともに、地域経済を牽引する中堅企業や、売上高100億円を目指す中小企業の成長投資も支援してまいります。さまざまな施策を推進してまいりますので、産業界の皆さまとともに日本経済を盛り上げてまいりたいと思います。

我が国の「稼ぐ力」の強化において、イノベーションは欠くことのできない要素です。そして、イノベーションの実現のためには新たな試薬の開発や供給が不可欠です。経済産業省では、半導体やコンピューティングとともにバイオテクノロジー分野でのイノベーションを加速してまいります。進展が著しいバイオ創薬や再生医療等の分野では、アカデミアやベンチャー企業による研究・実用化の推進に政府一丸となって取り組んでいます。また、海外市場の獲得も見据えてバイオ医薬品や再生医療等製品の国内製造拠点の整備にも力を入れています。自動化された製造設備、分析装置、AI技術の導入促進や、国産の機器・部素材といったサポーティングインダストリーの活性化を通じて、使用される試薬の需要拡大、我が国の産業競争力強化も進めてまいります。2025年が試薬業界にとってさらなる成長と革新の年となることを期待しております。

また、2025年は、大阪での国際博覧会(大阪・関西万博)が開催される年でもあります。「未来社会の実験場」のコンセプトのもと、ライフサイエンス分野などにおける最先端分野を発信・社会実装する機会であり、その成功に向けて取り組んでまいります。是非、皆さまにも大阪・関西万博に来訪していただければ幸いです。

最後に、本年の皆さまのご健康、そして試薬業界の益々のご発展とご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

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