試薬会誌

総会号 2025.7 No.76ご挨拶

一般社団法人 日本試薬協会会長 野澤 学

 平素は当協会の活動にご協力賜り、厚く御礼申しあげます。

 6月初めの第79回定時社員総会では、多数の会員の皆さまにご出席いただき、誠にありがとうございました。今回の開催地になった大阪では、現在、日本国際博覧会(大阪・関西万博)で大いに盛り上がっており、6月15日時点の入場者は15万人/日と右肩上がりで増加しております。ウクライナや中東における地政学的リスク、米国の追加関税などが世界経済への不安を招いている中、万博では最新の科学技術、特にAIやロボット技術、バイオテクノロジーの活用、そして環境問題への対応など、持続可能な未来社会の実現のためのこれからの技術が紹介されており、未来への期待、夢や希望が膨らむイベントに感じます。日本の科学技術開発費は年々増加しており、これからも新しい試薬の需要は増加していくはずです。もう間もなくすると夏休みに入るため、入場者が減少する要因は見当たりません。あっという間に秋になり閉幕となりますので、早めに一度見学するのは良いかと思います。

 さて、2024年度の当協会の活動は、毎年進めているJIS試薬(13品目)の規格の見直しを行いました。また食品添加物や標準品に関しては、当協会より委員を派遣し規格設定の対応を進めました。両事業については今年度も継続して進めます。研鑽活動では東京開催の「文化財への生物学的手法の応用」、大阪開催の「試薬業界の物流2024年問題」に関する講演、また「試薬の日」記念講演会では、「AI技術の内視鏡診断への応用」のテーマで最新技術の医療への応用例を学ぶことができました。試薬はさまざまな分野を支え、多くの業界の発展に寄与していることをあらためて認識いたしました。

 ところで、当協会は3月24日に設立25周年を迎えました。11月6日に東京の会場で、設立25周年記念講演会、祝賀会、懇親会を開催する準備を進めております。講演には環境学、安全学を専門とする工学博士の北野大先生にお越しいただきます。皆さまご存じのお笑い芸人のビートたけしさんのお兄さまです。科学に関わる話はもちろんですが、楽しいご講演になることと期待しております。多くの会員の皆さまにご参加いただきたいと思います。

 当協会の事業目的は、『試薬業を通して社会に貢献すること』であり、2025年度も経済産業省のご指導をいただき、関係団体や各委員会の活動を通じて、試薬業界の活性化と発展に取り組んでまいります。

 引き続き会員の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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